イスラエルとハマス等パレスチナ武装勢力に対して直ちに恒久的な停戦を求めるとともに、日本政府に対して停戦実現に向けた更なる働き掛けを求める会長声明
1 2023年10月7日、ガザ地区を拠点とするハマス等パレスチナ武装勢力(以下「ハマス等」という)は、イスラエル南部を攻撃し、これによって約900人のイスラエル市民と外国人が死亡し、約250人が人質として連れ去られた。これを受け、イスラエルがガザ地区に対する大規模な報復攻撃を開始し、ハマス等との戦闘状態が継続している。
2 ガザ地区保健省の発表によれば、イスラエルの攻撃により、2024年1月15日の時点のガザ地区での死者数は2万4000人を超え、死者の約7割は子どもと女性であり、負傷者は合わせて約6万人に上るとのことである。この中には医療従事者も含まれている。
また、イスラエル側でも死者数が1200人以上に上るとされている(国連人道問題調整事務所(UNOCHA)発表)。
3 この間、国連安全保障理事会(以下「国連安保理」という)は、2023年11月15日、戦闘の一部休止と人質の即時解放を求める決議を、日本を含む12ヵ国の賛成で採択したが、ロシア、イギリス、アメリカは棄権した。
11月24日から30日まで、一時的な戦闘停止と人質の一部開放が行われたものの、同年12月1日には戦闘が再開された。
12月9日、国連安保理は、ガザ地区の紛争について人道目的での即時停戦を求める決議を、日本を含む13ヵ国の賛成で採択したが、アメリカの拒否権行使によって決議案は否決された。
4 国際人道法及び国際人権法によれば、無差別攻撃は禁止されており、特に子ども及び医療従事者を保護するとの特別の規定も存することから、ハマス等及びイスラエル双方の行為は、これらの国際法に違反するものであって、如何なる理由があっても正当化することはできない。
5 日本国憲法は、前文において「世界の全国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とし、恒久平和主義を宣言している。これはイスラエルやパレスチナの人々に対しても等しく共有されるべきものである。
イスラエル、パレスチナの市民の生命、身体、財産などの基本的人権を保障するためには、直ちに停戦を実現することが不可欠であり、そのうえで話し合いによる解決を図る必要がある。
6 当会は、イスラエルとハマス等に対し、直ちに恒久的な停戦を求めるとともに、日本政府に対し、停戦実現に向けた更なる外交努力を求める。
以上
2024年(令和6年)1月29日
秋田弁護士会
会長 嵯 峨 宏