司法修習貸与制施行延期に関する「裁判所法の一部を改正する法律」成立にあたっての会長声明

2011年2月8日 公開
 2010年(平成22年)11月26日、司法修習生に対する貸与制の施行を1年間延期する「裁判所法の一部を改正する法律」が国会で可決され、成立した。これにより、新第64期司法修習生に対し、従前と同様に給与が支給されることとなった。
 今回の法改正の背景には、市民の権利の守り手となるべき法曹の育成に多大な関心と期待を抱く多数の市民の理解と協力がある。法改正に至るまで、きわめて困難な状況にもかかわらず、粘り強く取り組み続けて下さった国会議員の方々、秋田県議会での請願採択に尽力下さった県会議員の方々、陳情採択に同意下さった県内各自治体の議員の方々、そして、多くの請願署名を下さった県民の皆さん、ご協力戴いた関係団体、世論喚起に協力戴いたマスコミの皆さん等に感謝を申し上げたい。
 改正法の衆議院付帯決議では、政府及び最高裁判所に対し、今後1年の間に「法曹の育成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」を求めている。
 当会は、政府及び最高裁判所に対し、上記付帯決議で求められた事項の検討を速やかに開始することを求め、給費制が恒久的に維持されるように裁判所法改正を目指して引き続き努力するとともに、今回の法改正の過程でよせられた御意見や期待に応えるべく、今後とも弁護士の人権保障と社会正義の実現という公共的使命を自覚し、人権擁護や法律扶助制度の拡充などに取り組む所存である。

2011年(平成23年)2月8日
 秋田弁護士会
   会長 狩 野 節 子

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