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裁判所関連予算の大幅増額を求める会長声明

会長声明・決議・意見書
  1. 2001年に出された司法制度改革審議会意見書では、裁判所等の人的物的体制の充実を含む司法制度改革を実現するため、司法に対して財政面から十分な手当をすべく、政府に対して必要な財政上の措置について特段の配慮を求めている。
    ところが、裁判所関連予算の国家予算に占める割合は、年々減少を続ける傾向にあり、上記意見書が出された後も約0.3%台で推移しているのが実情である。これは、政府が、上記意見書が求める財政上の特段の配慮を怠ってきた結果であり、政府は国民の裁判を受ける権利を充実させるべき責務を果たしていない。

  2. 近年、過払請求事件や破産事件の減少により地方裁判所の取扱事件数は減少傾向にあるが、他方で、家事事件は年々増加する傾向にあり、取扱事件全般において内容も多様化・複雑化している。そのため依然として裁判官の過酷な勤務状況は変わっていない。多くの地方都市の場合、裁判官は民事、刑事、家事の各事件を掛け持ちで担当しているのが通例であり、特に、裁判員裁判事件の担当との掛け持ちをする場合には、他の家事、民事事件に万全に対応できない事態も危惧されている。また、書記官やその他の職員に権限の大幅な委譲もなされており、書記官らの繁忙さも増加しているという指摘もなされている。
    同時に、裁判所の物的設備の面においても、万全な財政措置が取られずにきたため、調停事件における申立人と相手方の控え室が近い、待合室が狭くプライバシーが確保できない、裁判所内にエレベーターがない庁では、法廷のある階まで職員が介助する必要があるなどといった問題は解決されないまま残っている。
    このように市民が司法を利用するためには、人的にも物的にも課題が大きく残っており、財政上の措置が必要不可欠になっている。

  3. 加えて、東北地区の場合、地域の特性に見合った裁判所の人的物的施設の充実が図られてこなかった結果、労働審判や裁判員裁判を行うことができるのは、福島地方裁判所郡山支部での裁判員裁判を除けば、本庁だけであり、また、ほとんどの裁判所では広大な地域を管轄対象としているにもかかわらず、常駐裁判官がいない裁判所も多く存在している。秋田県においても同様であり、労働審判を行うには本庁に申立をしなければならないし、広大な地域を管轄する地家裁本荘支部では裁判官が常駐していないなど、裁判所支部地域内の住民が司法を利用する支障となっている現実がある。

  4. 以上より、当会は、最高裁判所に対し裁判所関連予算の大幅な増額請求をすることを求めるとともに、財務省・政府に対してはそれを受けて裁判所関連予算の大幅増額を認めた予算編成を行うことを求める。

2015年(平成27年)8月31日

                    秋田弁護士会

                     会 長  京  野  垂  日