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【「少年警察活動規則の一部を改正する規則案」に対する意見】

1 規則案第3章第3節「ぐ犯調査」の規定について
  「少年警察活動規則の一部を改正する規則案」(以下「本規則案」という。)には,国会において「少年法等の一部を改正する法律案」(以下「改正少年法案」という。)をめぐって問題となり,結局削除されるに至った「ぐ犯少年」に対する警察の調査が,規則で行えると規定されている(本規則案第27条)。
  すなわち,国会での「改正少年法案」の審議では,「ぐ犯少年」については,警察官による調査権限の及ぶ範囲が不明確で,調査対象の範囲が過度に拡大するおそれがあるという懸念が強く出され,「改正少年法案」第6条の2および第6条の6から「ぐ犯少年」の規定を削除することで全政党が一致し,与党修正案において,「ぐ犯少年」の文言が削除されたという経緯がある。
 ところが,本規則案第27条は,「ぐ犯少年にかかる事件の調査」については,「少年法第3条第1項第3号イからニまでに掲げる事由があって,その性格又は環境に照らして,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがあることを具体的に明らかにするよう努め」なければならないとし,「ぐ犯事由」と「ぐ犯性」があることを警察官が「具体的に明らかにするように努める」と規定されている。つまり,警察官が調査を開始する段階では,「ぐ犯事由」と「ぐ犯性」が具体的でなくともよいことが前提とされている。これでは,警察官が主観的に「将来,罪を犯すおそれがある」と判断すれば,少年に対する調査を実施できることになりかねず,「改正少年法案」の国会審議で削除された「ぐ犯少年である疑いのある者」に対する警察官の調査権限の復活にほかならない。
  これは,国会において審議・可決された法律の内容を,規則の形式で変更するものであって,国会での審議を無視するものであって,「国会は,国権の最高機関であって,国の唯一の立法機関である」とした憲法41条に反する。
  以上のとおり,本規則案第3章第3節の「ぐ犯少年」の規定は,国権の最高機関である国会での審議と法案修正を無視するものであって,違憲,違法の内容であるから削除するべきである。

2 規則案第3章第2節「触法調査」の規定について
  本規則案に,警察官は少年の調査にあたり,少年に対し,弁護士付添人を選任で きること及び「意に反して供述を強制されることはない」旨を告知する規定を定めるべきである。
  少年は大人以上に被暗示性や被誘導性が強く,14歳未満の少年では,その傾向が特に顕著である。「改正」少年法第6条の3は,少年自身に弁護士付添人を選任する権利を認めたが,権利は,まず知らなければ行使することができない。
  そこで,調査にあたり,警察官が少年に対し,弁護士付添人の選任権があること及びその意思に反して供述を強いられることはない旨を分かりやすく告知することを義務づけるよう,規則案に明記すべきである。
また,弁護士付添人選任権が規定された趣旨に照らし,規則案第20条第4項の立会いを認める者の例示に,弁護士付添人を明記すべきである。

3 以上のとおり、当会は、本規則案に、「ぐ犯少年」の項目を新設することには反対であり、また、警察官の触法少年の調査にあたっては上記のような配慮をすべきと考える。
                                 2007年(平成19年)10月2日
                                  秋田弁護士会
                                    会長  木  元  愼  一


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